Monday 3 August 2015

ヴィム・ベンダース×セバスチャン・サルガド

映画オタクだった10代の頃は少ない貴重な仕送りの中から、20代で働き始めてからは微々たる収入の中から、まずは映画代を捻出して暮らしていました。
父親の買ってくれたテレビはさっさと中古買い取り店に売りとばし(それからテレビに縁がない生活が10年続く)、映画は映画館で見るもの、が信条でした。

それが時代もライフスタイルもすっかり変わって、映画もテレビ番組も、NetflixやAmazon Prime Instantといった契約しているVODサービスを利用するか、BBCのiPlayerで見たいものを見たい時にという感じ。これは以前にもここに書きました。こういったサービスのおかげでDVDを買う事もなくなりました。まだまだレンタルでストリームすることのできない日本のドラマや映画を別にすれば(外国にいながら日本のアマゾンを利用してそれができたらどんなにいいでしょう!)それ以外のたいていの作品、例えばNetflixでも NowTVでも見つからない作品はAmazon Prime Instantでレンタルするか購入してしまえば、ログインさえすればいつでも見れるのですから。購入した場合もダウンロードせずともよく、デバイスのメモリを取られる事もありません。
これだけ便利なのですからイギリスのDVD市場が瀕死の状態なのも時代の流れとしか言いようがありません。
その流れで言えば、とくに音楽は映像よりも前からそれが普及しているのでCD市場もさらに縮小してゆくでしょうね。個人的にもジャック・ホワイトの新作以外でCDを買うことは、この先ないのではないかと思います。自分のものにしたいアルバムはAmazon Music Appを使って有料でMP3をストリーム又はダウンロードし、広告が入っても順番がバラバラでもとにかく聴ければいいというのであれば、Spotifyの無料アプリで聴き放題。
本もそうなっていきそうです。近いうちにKindle Paperwhiteを入手する予定なので、古本あさりをするのも減ってゆくことでしょう。私の場合ほとんどの読み物は、一度最後のページまでたどり着いたら読み返すことはないのです。ただ、この先もずっと何度も手に取りたくなるであろう本はやはり紙がいいなと思います。

話がそれてしまいましたが、とにかく、今では映画館に足を運ぶのは選り抜きの作品を是が非でも劇場で見たい時か、親子3人でのレジャーの一貫としてか、私と夫の記念日のみ。

そんな私達のスタイルがますます助長されるというか、さらに一歩進むというか、そんなサービスがあるのです。
Curzon Cinemaという現在ロンドンを中心に10館持つ映画館チェーンが私の住む街にもオープンし(Curzonはインディペンデント映画やアートフィルムを扱うシネマで、昨今ちらほら耳にする、ロンドンでやっているお芝居を、自分の街の劇場のスクリーンで、生中継で鑑賞するというようなイベントもやっています。レイフ・ファインズ見たさにある作品のそういった鑑賞券を買ったことがありますが、なかなか面白い体験でした。)、さらにそのCurzonがホームシネマサービスをやっているということを少し前に知ったのです。アキカウリスマキの作品もサラッとリストに入ってたりして、オタク指数高し。

そんな我ら、人生の節目・記念日に映画館にゆく習性がありまして、しかもいつもたまたま場に似つかわしくない作品を見てきました。 重い、暗い、長い映画。
ロムコムを選べばよさそうなものなのに。でもそんなことが数回あってから、記念日には重い、暗い、長いのOKN映画を見るのが習わしになりました。

されど今年は見たいOKN作品を見つけられず、その替わりにこんな素敵な作品が見れることがわかって、伝統を無視してこちらを見ることにしました。残念ながら地元の映画館ではやっていないので、先に書いたホームシネマサービスを利用して。

大好きなベンダース監督が撮った、夫の好きな写真家のドキュメンタリーです。

まずは近所のイタリアンレストランで晩ごはん食べて来よう。
せっかくだから二人でいってらっしゃいという息子のことばに甘えて。

ホームシネマなのに、大興奮。