特別にめぐったりするほどではないけれど、よさそうな古本屋さんがあるとつい入ってみたくなります。
一歩足を踏み入れると黴の匂いが鼻をつき、ひとつのジャンルで各部屋が埋め尽くされ、あらゆる本が天井までうず高く積み上げられているような貫禄のある古本屋さんもいいけれど、わりと小さくて棚という棚をすみずみまで見てまわっても1時間程しかかからないような、小さなお店が好きです。
このヴァージニア・ウルフのエッセイ集は、古本のみを扱うそんな小さなチャリティーショップで見つけました。オックスファムでなら2ポンドするような本も、ここだと99ペンスで買えてしまうのと、品揃えがおもしろいのでとくに読む本に困っていなくても近くを通ると必ず立ち寄ってしまいます。写真のものは背の上部が破れているし、全体的に変色も激しい上に表紙にえんぴつ書きがあったりして決して状態のいいものではないのですが、そこがまた魅力なのですね、古本というものは。それにウルフのエッセイ集なんて一般の書店では見かけないので、ぜひ読んでみたくて手に取りました。
ペリカンブックスはペンギンブックスが1937年から1984年まで出版していた、一般教養書を中心とするシリーズです。今回買ったものは1944年の出版、なんと戦時中に刷られたものなのですね。
中扉にこんな印刷が。 |
この頃は裏表紙に広告が印刷されていたようです。 |
戦時中は一定のページ数以上の本の出版に制限があったそうですが、紙質もいかにもで、表紙でさえも薄く、ペラペラです。大切に扱わないとバラバラになってしまいそう。
古本のコレクターでもなく、普段なら「辞書とペーパーバックは読みこんでページに折り目なんかがいっぱいついてる方がいいのだ」が信念(?)の私でも、二度と出会えるかどうかわからない古い書物は大事に、大事に、日焼けしないように、お姫様扱い。
読んでいるうちにいつの間にか眠ってしまうようなベッドタイムの読書用にはできません。じゃないと朝、私の頭の下敷きになり、表紙が破れたペリカンブックス発見。。。なんて悲しいことになりかねないですから。
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