ゴッホのWheat Field Cypressesが見たくてナショナルギャラリーを訪れたのですが、芸術にとんと無知な私、ナショナルギャラリーがあんなに広くてあんなにたくさんの絵画を展示していると知らずに行きました。
一枚一枚の絵にじっくり時間をかけてしまうのでとうてい2、3時間では見きれず、やっと4分の1ほど見たところで閉館になってしまい、後ろ髪引かれる思いで建物を出ました。
テート・ブリテンでも同じ。
素晴らしい絵画があちらにもこちらにも。
やはり半分も見ないうちに次の目的地に行かねばならなくなり、残念でした。
しかしそれにしても、絵画の力というのはまるで磁石のようです。
例え前知識がなくても、力のある絵はあっちから呼んで来るので、私はそちらにふらふらと行ってその魅力に思う存分ひたるだけ。
ゴッホの作品は期待通り、磁力があり、いつまで見ていても飽きませんでした。
逆に、テートに展示してあるミレーのオフィーリアは、ずっと憧れていて楽しみにしていたのに、実物は「あれっ?」と拍子抜けするようなものでした。
色はきれいだし、ファンが多いのもわかるんだけど、生で見るとまるでハムレットの宣伝用ポスターとして描かれたかのような薄っぺらさしか感じることができなかった。
なんというか深みに欠けているように私には感じられました。
素晴らしい絵画というのは実際に見ると、その思わぬ力に圧倒されます。だからあんなに価値があるのだな、と納得します。
ゴーギャンやダ・ヴィンチ、それからルソーの作品、それから思ってもみなかったけれどターナーの作品などは前を通るとついつい立ち止まって長く見てしまいました。。
しかし今回もっとも印象に残ったのはウィリアム・ブレイクの版画でしょう。
テート・ブリテンにある数々の作品、本当に素晴らしかった。
今思い出しただけでも感動が蘇ってきます。
あの色、緻密さ、その想像力、あー、イギリス来た甲斐があったって、この3年近くで初めて思いました。
そして生まれて初めて、ルパン三世の気持ちが理解できました。
あれらの絵が自分の家にあったらどんなにいいだろ。
一枚でいいから、自分のものにしたいって気持ち、わかっちゃいましたよルパン。
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