Thursday, 24 July 2014

リスボン 酒

ふらりと立ち寄ったワインバー。近くにあるコメルシオ広場の特設大スクリーンでWCのブラジル対ドイツ線を中継したいたせいか、他に誰もおらず客は私だけでした
客が引きも切らなかったジンジーニャ・バー
リベイラ市場のワインキオスク
飲んで飲んで飲まれて飲む話ではありませんよー。おいしいお酒の思い出ですー。

7月のリスボンはそりゃあもう暑くて暑くて、イギリスの気候に慣れてしまっている私には日本の夏ほどに暑く感じました。実際、ある日ふと電光掲示板を見たら36度の表示が。暑さが一気に増した気分。とはいえ日陰に入れば涼しく、1,100メートルのリベールダーデ通りのなだらかな上り坂をグルベンキアン美術館目指して歩いた時も、日光をほどよく遮ってくれるプラタナス(?たぶん)の木に守られつつ、そこここに点在するキオスクでレモネードなど買って水分補給しながら進んだので気持ちがよいほどでした。
このキオスク、リスボンの街の比較的最近の兆候らしいのですが、ジュースや軽食のみならず、カクテルやスープを出してくれるところもあり、ちょっとしたバーやカフェのよう。市民や観光客の大事な憩いの場になっているようです。私も街歩きでカラカラになった喉を何度キオスクのおかげで救われたことか。
ひとつ印象に残っているのがお酒の安さ。200mlほどのビールの小瓶はキオスクや食堂で€1.20〜€1.50ほど。€2.00ほどのレモネードやオレンジジュースを買うよりも安いです。レストランで飲んだグラスワインも€2〜€3、そういえばサンタアポロニア駅の構内にあるミニスーパーでは店舗のサイズのわりにはワインのバラエティーが豊かだなという印象を受けたのですが、それが全部ポルトガル産だったのです。しかも一番高いので€4とか。もちろん、庶民の見方のスーパーなのでとくにお手頃な価格の品揃えだったのでしょうが、それにしても所変わればだなあ、おもしろいなあと思いました。リスボンに行く前に夫が「同僚は皆ポルトガルワインはイマイチだったって言ってるよ。」と私に言うので「イギリスワインよりはうーんとおいしいでしょ。」と冷たく返答したいきさつがあったのですが、私はそんな廉価ワインでもおいしく飲めましたよ。名物のヴィーノヴェルデではなく普通の白と赤を買いましたが。ちなみにこのスーパーには小さいながらもきちんとした鮮魚コーナーがあり、ポルトガルの人にとっていかに魚が大事かが表れているなあと思いました。

ある夜、日没にはまだ時間があったのでポートでも一杯飲もうと立ち寄ったボトルの小売りもしているバー。私以外には誰もおらず、スタッフの男性は夕食の最中でした。運ばれて来たルビーポートをちびちび飲みながらポルト出身だというジョンさん(仮名)にポートワインについて教えてもらっていたら、つとカウンターに行き、「これはおごりだよ。」と10年もののトウニーポートを注いでくれました。「ルビーはね、ここからここまでの大きさほどの(と腕で数メートルほどの距離を指し示して)巨大な樽で熟成される。トウニーはこんなの(と天井から下げてある子供の背ほどの樽を指して)で熟成される。だから樽の香りがうつって芳香なんだ。」確かになんともよい香り。色はガーネットのようで甘さもルビーに比べると控えめで実においしい。また、ジョンさん曰く2011年のヴィンテージポートは「ベストヴィンテージエヴァー!」なほど最高の出来なんだそうで、「昨日残りの1本を売ってしまって在庫がないけれど、見かけたら買っておいて損はないよ。」とのこと。ロンドンで働いていた事があるというジョンさんとしばしおしゃべりし、夫へのお土産のトウニーポートを1本選んでもらってからそのバーを後にしました。

ところでポルトガルというとポートしか知らなかった私ですが、リスボンではジンジーニャというさくらんぼのリキュールがとてもポピュラーらしいのです。帰る前に一度は飲んでおきたいものだと思っていたら、街を散策中に看板がかわいいバーを見つけました。見つけたというか、その小さな店に引きも切らず客が出たり入ったりしていたので必然的に目に飛び込んで来たというか。とりあえずワンジンジーニャプリーズと注文すると小さなグラスに深い色合いの液体とふたつのさくらんぼをとぷっと入れてくれました。
ジンジーニャとは英語でサワーチェリーと呼ばれるそのまま食べるには酸っぱ過ぎるサクラの実を使ってできたお酒。甘くてまるで梅酒のようでおいしかったです。

あとはマデイラワインを飲みたかったのですが機会がなく、結局空港の免税店で買い求めました。何も考えずにジンジーニャとマデイラの2本を買ったものの、飛行機の離陸直前になってハッと税関の存在を思い出し、慌てて調べるとどうやら免税の範囲内。だいたい免税店なんて普段は素通り。何かを買う、ましてや海外からお酒を買って帰るなんて初めてのことなので焦りましたです。

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