イングランド北部はノースヨークシャーの北海に面した港町、Whitby。
ハワイ諸島の発見などで知られるクック船長縁の地であり、怪奇小説の古典Draculaに登場する場所として有名です。ちなみにイギリスの土地の名前で最後に"by"、"dale"、"thorpe"が着くところはヴァイキング(デーン人)の支配下にあった歴史の名残だそう。Whitbyも867年にヴァイキングの侵略にあって、現在の名前になったんですね。
跡地にある沼/池。”深い”ってどれくらい深いんだろう? |
入り江をはさんで対岸から見たWhitby Abbey |
ウィットビー修道院跡は”跡”とはいえ雰囲気があり見応えがありましたし、隣接するセントメアリー教会へと通じる199の石段や、その石段を登る途中の眺めもとても素敵。石畳の両側におもしろそうな小さなお店のひしめき合うシャンブルズ、丘陵に並ぶ家々、港に停泊する船、きらきら光る海、そして有名なThe Magpie Cafeの30センチはあろうかというハドックのフライのフィッシュ&チップス!
名前がかわいいッ!ケーキのお店 |
The Magpie Cafe、写真左のようにいつも道路まで行列ができているらしいです。私達は写真右のフィッシュ&チップスのテイクアウト専門店舗の方に並びました。待つこと30分ほどで買うことができましたが、カフェ側の列はまったく動いてなかったです。でも魚は新鮮で衣はサクッとしていて、さすがにおいしかった。
てくてく散策やおいしいものが楽しめる、なかなかオツなスポットでしたよ。
Runswick Bayというところにも立ち寄り、北海の風に吹きっさらされて来ました。4枚重ね着して首にはスカーフも巻いていたのにざぶがっだ。てくてく散策やおいしいものが楽しめる、なかなかオツなスポットでしたよ。
ここからは趣味に走ってますので、気の向いた方だけどうぞ。
荒れ狂う大嵐の中、イングランド北部の港町に漂着したロシアの船、Demeter号。船員は一人残らず行方知れず。唯一発見されたのは舵輪に手をくくりつけられた船長の死体のみであったが、Demeterが上陸するやいなや巨大な犬が甲板に飛び出し、暗闇へと姿を消したのが目撃されている。
ブラム・ストーカーの怪奇小説の古典Draculaの第7章でトランシルヴァニアからイギリスへとやってきたドラキュラ伯爵が上陸するノースヨークシャーの港町、それがウィットビーです。
ストーカーはこの小説を書く前の数年間を欧州の民話やヴァンパイアに関する文献等の研究に費やしたそうで、しばしば夏の休暇を過ごしたWhitbyである年、丘の上から教会の墓地に目をやり、ふとドラキュラを書くインスピレーションを得たとされています。
物語は全編を通じて日記、手紙、新聞記事、航海日誌、手記などの形を取って進行し、読者はそれぞれの筆者の目と体験を通じて何が起こっているのかを理解していきます。
ドラキュラの英国上陸を読者が悟るのは新聞記事を通して。
出版された当時は冒険活劇の大衆小説として売れに売れまくったようですが、この小説がゴシック小説の伝説的な金字塔的作品として扱われるようになったのは20世紀になって映画化されてからのことだそうです。
ヴィクトリア朝時代のロンドンに夜な夜な出没する、人の生き血を吸う怪物。ゴシックでキャンプで時代背景を考えるとわりとエロティックな内容だったんじゃないかと思います。だけどヴィクトリアンの民衆達にとってと同じように、私にとってもわくわくする冒険活劇。Draculaの主人公は紛れもなくヴァン・ヘルシング教授ではないでしょうか?彼の知恵と勇気に感嘆し、また時にはその冷静沈着過ぎるところにはらはらしたり。小学校の頃、毎日図書室に通って江戸川乱歩の明智小五郎シリーズを夢中になって読んでいたことを思い出しました。
ウィットビーの観光案内所で買えるWhitby Dracula Trail。 |
2 comments:
分厚い雲も似合う歴史の重みを感じるそんな修道院跡ですね。
素敵だなぁ港町で起伏がある情景が羨ましいです。
オランダは平坦すぎちゃって地形変化が少ないんですよね(苦笑)。
私はどうも港町に弱いらしく、すごく気に入っちゃいましたよ、この町。
ヨーク城跡にがっかりだったのでこの修道院跡も期待していなかったのですが、zingoさんのおっしゃる通り、歴史の重みが感じられる場所でした。
オランダって平坦なんですね。
それならば自転車にもじゃんじゃん乗れそう!
お買い物にちょっとママチャリで行けそうでいいなぁ。
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