Tuesday 15 July 2014

リスボン サルディーニャスアサーダス


Saldinhas Assadasとはイワシの塩焼きのことです。
食べたかったの、これが。

ほんの数日しかいられない旅先では食べるものは毎食がおいしくないと悔いが残るので事前にフーディーに人気のレストランやお店、評判のよさそうなヴィーガンのレストランを調べておいたのですが、 せっかく探してたどり着いたのに満席だったり、もう何年も前に閉店していたりと、とにかく運が悪いこと続き。それで行き当たりばったりに入ったお店で何かつまんだりしていたけれど、どこもおいしい。しかもびっくりするほど安い。

ある夕方、地元の人がいつものご飯を食べに来るような、普通のものを普通においしく作って食べさせてくれるところでサルディーニャスアサーダスをせめて一度は食べない事にはこの旅の最大の心残りになるのではないかと思い立ち、そんなお店を探すことにしました。わざわざ遠くに行ったらアカン、この行動の意義に反する、と近所をうろうろしてみるも、どのお店も、どうも私の求めているものと違う。せっかく見つかってもイワシがなかったりして。
あきらめて今日はワインとおつまみで晩ご飯にしようとスーパーに買い物に行って帰る途中、ふと、ピンと来る食堂があるのに気づきました。お店の入り口にあるメニューにポルトガル語の横に英語も表記してありますが、お値段は良心的。しかも食事時間には早過ぎたのか(午後6時50分)、誰もいやしない。少し英語の話せる50代くらいのご主人にたずねると、イワシ?あるよとにっこり。もうワインとおつまみを買ってしまったので持ち帰りはできるかたずねると、「持ち帰り?何か入れるもの持ってるの?」と言われる。ますます気に入った。新聞紙にくるんででもいいからとお願いすると、厨房にいる、彼のお母さんらしきおばあちゃんに何か聞いている。どうやらおばあちゃんの許可がおりたらしいので、出来上がるまで店内でビールを飲んで待つことにしました。
カラカラの喉にしみいる冷たいビールを飲んでいると魚の焼けるいい匂い。おばあちゃんの他にもうひとりのおばあちゃんがいて、二人で厨房で仕事している。落ち着いて店内を見渡してみると、テーブルも床もきれいに掃除が行き届いています。ますますいい感じ。
ほどなくして、レジ袋に入ったものをおばあちゃんがテーブルまで持って来てくれました。もとはアイスクリームの入っていたらしい青いプラスチックの容器に魚とサラダを別々に入れてあり、それを指差し、自分の胸を指差す動作を、おばあちゃんが何か言いながら2回繰り返す。わけがわからずもにっこりうなずいてお礼を言うと、ご主人が、「その容器、食べ終わったら返して欲しいそうなんだ。」と通訳してくれた。明日持ってきますと答えてお勘定をしてもらい、食堂を出ました。
ふっくら焼けたイワシは絶妙の塩加減、じゃがいもは完璧な茹で具合だし、サラダはパリパリ。普通のものを普通においしくお料理。まさに私が求めていたサルディーニャスアサーダスでした。なんだかおばあちゃんの姿勢が感じられ、一層おいしかったです。
あと、ごらんいただけばわかると思いますが、リスボンの一皿分って実に多いんですね。イワシをいっぺんに4匹食べたのって初めてだ(笑)

二枚目にあるのはサルディーニャスアサーダスの握り寿司です。
リベイラ市場のSea Meでいただいたのです。炙りイワシという感じ。お醤油ではなく七味唐辛子が添えられていました。
リベイラ市場にあるフードコートは今年5月にスタートしたばかりなんだそうな。キオスクと呼ばれる各店をまわってみると、小さいながらもきちんとした調理設備があり、作っている人もなんだか雰囲気が違う。フードコートと侮るなかれ。彼らは皆、れっきとしたシェフなんだそうです。Sea Meも中心街にお店を構えるれっきとしたレストラン。色々なお店のお料理、色々なワインが試してみたい方にはとってもおすすめ。
ちなみに炙りイワシのにぎりは二貫で€5.5でした。おばあちゃんが作ってくれたサルディーニャスアサーダスと同じ値段。どちらも後悔はしないおいしさですぞ。
こちらがSea Meのキオスク




握りのイワシがあまりに美味しくて追加注文し、おすすめだというホタテもお願いしたら、牡蠣をおまけにつけてくれました


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