Friday 26 March 2010

本を読もう

今日は食べ物とまったく関係なく、マニアックなこと書いています。
なんだかブツブツとつぶやきたい気分なのでお暇な方だけおつきあい下さい。

夫はとても読書家です。
いつも、いーーーっつも本を読んでいます。
本好きだけあって、その審美眼というのですか、選択眼はなかなかのものです。
一斉を風靡し、映画化もされたあるベストセラー小説も彼にかかると、
「もちろんどんどん読めるさ。読者が引きこまれる本だよ。しかしナンセンスでclicheだらけのtrash。」
らしく、だから私読んでません、その本。

彼の好きな作家の1人はウンベルト・エコで、エコの書いている対象こそがまさに、その例のベストセラー作家のようにナンセンスを本気にしている類の人たちなのだそうです。
私はエコは読んだことはないですが、映画「薔薇の名前」はとても好きでした。

夫に、どういう考え方が具体的に右より(右翼)で左より(左翼)なのかとたずねようものなら、
「またその質問か。だから前から言ってるだろう、
僕の持ってるスティーブン・ピンカーの本を読めばわかるって。」
とすぐ本を引きあいに出してきます。

ムッ!!

っとする私。
「だから前から言ってるじゃんっ、
君の持ってるスティーブン・ピンカーの本は日本に置いてきてるじゃんって。」
と心の中でつぶやき、わざと足を踏んづけて
「あら、ごめんあーさーせ」
と言い捨ててすたこらさっさと去る。
茶助がこういう物言いをする時は仕事でストレス溜まってる時なのでそうっとしておいてあげるのがいいのです。(足は踏みましたけどね)

そんな本好きの夫は、よく人にも本をプレゼントします。
一番最近もらったのはデンマークの作家、Peter Høegという人の本。
私がこのごろデンマークに興味を持っているからだそうです。

私もごくたまに彼に本を贈ります。
でも私は多読家ではないのでどんな本なら茶助が喜んでくれるのかほとほと選択に困り、前回の誕生日にはドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」と「罪と罰」をあげました。
これなら絶対おもしろく、茶助も楽しめるだろうと思えるのがそれくらいしかなかった。

ところが。。。

あのbookwormが、途中で投げ出していたのです、
こともあろうにあの名作、いえ傑作を。。。。。
2冊とも、どっちも。。。

えええっ?!

1行で書けることを半ページにも渡ってつらつらと書くそのスタイルがどうしても性に合わないのだそうです。でもそれってなんとなく村上春樹にもいえることじゃない?それに私に言わせればミラン・クンデラの方がよっぽどつらつらタラタラ書いてますけど???(どちらも素晴らしい作家ですが)

その登場人物とテーマの普遍性がドストエフスキーの本のおもしろいところなのに、そこに行き着く前に読むのやめたらおもしろくないに決まっているよ。

でもま、しょうがないね。
好みだものね。

ところで私、本当によく本をプレゼントされます。
というか、くれる人はだいたい決まっていてもっぱら夫か、アメリカの物書きを本業、大学教授を生業とする友人。最近は妹もときどき文庫本を送ってくれます。
さらに自分でも買うので狭い我が家の申し訳程度の本棚には、まだ読まれずに積読になった状態の本が山のように・・・。

これを2020年までに全部読み終えるのが私の今後10年の目標です。

4 comments:

るぅ said...

エコの「薔薇の名前」(William Weaver 訳)読みましたがおもしろかったですよ。映画を見た後に読んだのも良かったかも。
あまり本を読まないんですが、最近読んで面白かったのは Philip Short のポル・ポトの本。東南アジアに住んでいたので興味はあったんですが、きっかけはリック・スタインの Far Eastern Odyssey。
Kampot Pepper のこともほんの少しだけ載ってて、うれしくなったり。

梅* said...

>るぅさん
エコ、英訳で読まれたんですね。
おもしろかったと聞くと読みたくなります。映画は劇場で見たんですよ。年がばれますね^^。 小娘だった私にとってショーン・コネリーは愛しのツルピカ(お腹も出てた)でした。

そのポル・ポトの本も興味をそそります。ノンフィクションも好きなのです。
Kampot Pepperはスパイスのことでしょうか?すみません、知らなかったのでググってみたのですがスパイスだったり村だったり色々ヒットして。よかったら今度教えてくださいね。

るぅ said...

>梅*(Ume)さん
Kampot Pepper はそのまんま、胡椒です。カンボジアのカンポット地方で取れるものは香りも質も良く、重宝されており、(フランス植民地時代には)重要な輸出品だったそうです。
リック・スタインの番組のカンボジア編を見た時にそれがなぜか記憶に残ってて(本の方にもレシピが載ってます)、ポル・ポトの本で読んだときに、「あ~、リック・スタインも言ってたな」と。
スタインの番組ではその胡椒をまた輸出できるように努力している、というようなことを言ってた気がします。

ポル・ポトの本ですが、個人的にはベトナムとの違い、社会の構造や国民の性格などが書かれていて興味深かったです。東南アジアといっても隣国同士でこんな違いがあったのね…と。

梅* said...

>るぅさん
そんな胡椒があったのですね。
教えてくださってありがとうございます。FEOdysseyはただのグルメ紀行では味わえないロマンを感じさせてくれました~。今では当たり前に手に入るクローブだってシナモンだって、そして胡椒だって、昔はとてもエキゾチックで貴重なものだったんですよね。ハーブやスパイスをめぐる歴史の本なんかがあったらぜひ読んでみたいものです。(いや、きっとありますよね、探せば)