好きな虫はなに?
と付き合い始めて間もない頃に茶助に聞いたことがあります。
一瞬の戸惑いののち、
えっと・・・好きな虫って普通いるもんなの?
と言われました。
え、いないの、好きな虫?
私はいます、好きな虫。
子供の頃からカマキリとミツバチが好きです。
めだかとアマガエルとヤモリも好きです。
熊本の田舎で育ったので、かなり野生派な女子でした。
虫捕りもするけど川で魚と蟹を捕まえるのがとくに好きで、イモリを飼ったこともありました。
野花とたわむれて育ったので、いまだに好きな花は梅のほかにはれんげ草にデイジーにキンポウゲだったりします。
捨て犬は拾って帰ってもすぐに大人の誰か(主に祖母)がまたどこかに置いてきちゃうんですが、それにもめげずに見るとついつい拾って帰るような犬好きの子供でした。
ペットにはチャボもいました。妹が友達からもらってきたツガイをいつしか私が受け継ぎ、どんどん卵をもたせてどんどん増やしました。
チャボはサイズも小さめで穏やかな性格なので膝にのせてなでても平気なくらいでした。
両親の実家は双方とも農家だったので一時は100頭にものぼった牛の世話の手伝いだとか、蚕のシーズンには蚕の世話を手伝うのが当たり前でした。別に強制されたわけではなく、遊びの一部だったのです。
息子も私の田舎で育ったのでやっぱり野生児です。
だけど動物はなぜか飼ったことがなく、カブトムシだのクワガタだのバッタだのアリだのアリ地獄だの「こんなのまで?」と思うような生き物をたくさん飼っていました。
麻呂の寝顔しか見てないなぁ、という日が続くくらいに仕事にかまけてばかりの私に代わって、彼を育ててくれた私の母の手伝いが大好きで、仕事が休みの日に
「ねえ麻呂、一緒に映画でも見に行こうか。」
と誘ってもたいてい、
「おれ映画行かん。ばあちゃんと草取りするって約束したもん!」
と断られていました。
彼にとってもまた、祖母の手伝いは遊びの一部だったようです。
イギリスには、少なくとも私の住む街には、カマキリはいません。
カマキリどころか、カエルでさえ数えるほどしか見たことがありません。
息子の大好きな生き物があまりいません。
リスくらいかな。
虫や爬虫類や水中の生き物が好きな麻呂には最初のうちは物足りなかったことだろうなぁと思います。
たまにカエルを見かけるだけで二人で大騒ぎしたくらいです。
日本の故郷では見たことがなく、こちらでたくさん見かける虫といえばマルハナバチがいます。
bumble beeです。
そうとうに可愛いやつです。
暖かい時期に裏庭でボーっとしていると顔の近くを飛んだりしますが、まったくあわてる必要はありません。彼らは花の蜜を求めて飛んでいるだけなのです。かなり顔を近づけても平気なのでその様子をしっかり見ることが出来ます。
二人で遊びに行った街の教会の床に飛べなくなったマルハナバチを見つけ、踏まれないように外に連れ出してあげる麻呂の図。
こういうショットを見ると、こんなクワガタもヤモリもいないところに連れてきちゃってごめんよ、と胸がチクリと痛むのでした。
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