Saturday 29 January 2011

ルパン三世の気持ち

ゴッホのWheat Field Cypressesが見たくてナショナルギャラリーを訪れたのですが、芸術にとんと無知な私、ナショナルギャラリーがあんなに広くてあんなにたくさんの絵画を展示していると知らずに行きました。
一枚一枚の絵にじっくり時間をかけてしまうのでとうてい2、3時間では見きれず、やっと4分の1ほど見たところで閉館になってしまい、後ろ髪引かれる思いで建物を出ました。
テート・ブリテンでも同じ。
素晴らしい絵画があちらにもこちらにも。
やはり半分も見ないうちに次の目的地に行かねばならなくなり、残念でした。

しかしそれにしても、絵画の力というのはまるで磁石のようです。
例え前知識がなくても、力のある絵はあっちから呼んで来るので、私はそちらにふらふらと行ってその魅力に思う存分ひたるだけ。
ゴッホの作品は期待通り、磁力があり、いつまで見ていても飽きませんでした。
逆に、テートに展示してあるミレーのオフィーリアは、ずっと憧れていて楽しみにしていたのに、実物は「あれっ?」と拍子抜けするようなものでした。
色はきれいだし、ファンが多いのもわかるんだけど、生で見るとまるでハムレットの宣伝用ポスターとして描かれたかのような薄っぺらさしか感じることができなかった。
なんというか深みに欠けているように私には感じられました。

素晴らしい絵画というのは実際に見ると、その思わぬ力に圧倒されます。だからあんなに価値があるのだな、と納得します。
ゴーギャンやダ・ヴィンチ、それからルソーの作品、それから思ってもみなかったけれどターナーの作品などは前を通るとついつい立ち止まって長く見てしまいました。。
しかし今回もっとも印象に残ったのはウィリアム・ブレイクの版画でしょう。
テート・ブリテンにある数々の作品、本当に素晴らしかった。
今思い出しただけでも感動が蘇ってきます。
あの色、緻密さ、その想像力、あー、イギリス来た甲斐があったって、この3年近くで初めて思いました。
そして生まれて初めて、ルパン三世の気持ちが理解できました。
あれらの絵が自分の家にあったらどんなにいいだろ。
一枚でいいから、自分のものにしたいって気持ち、わかっちゃいましたよルパン。

Friday 28 January 2011

ノスタルジック

息子は、この頃よく彼の叔母とメールのやりとりをしているらしいです。

「ねー、レミオロメンの粉雪って曲知っとる?秋桜おばちゃんがCDコピーしてやるって。」

ほとんど日本のポップスは聴かない私ですが、この曲は知っています。
当時私の生徒だった男の子が、レミオロメンの粉雪って曲すごくいいとばい、と言ってCDを貸してくれたのです。

なのでこの曲を聴くと彼のことを思い出します。
彼の妹も私の担当の生徒だったので、彼ら二人と彼らのお母さんのことまで思い出します。



ぐおっ。
なんだこれ。
なんだかせつなくなってきた。

Thursday 27 January 2011

ザ・コージ~その後~

”コージ”って”麹”のこと?

違います、”工事”なんです。

あれから週が替わってしまいましたが、まだ完了しておりません、キッチンとバスルームの工事。

「あの人はglazierじゃなかったよ、joinerだった。で、ドアを交換した時に崩れた壁は彼の手に負えないから、来週plastererが来るらしい。そのあと三菱さん(英国人・仮名)が来てペンキを塗る段取りになってるって。」
と、大家さん代理からメールを受け取った夫。

あ、そう。
joinerでもplastererでも誰でもいいからドアや窓の開閉するたびにポロポロ崩れてくる壁を早くどうにかして下さいませ。

そして昨日、夕方近くに約束の時間より1時間早くplastererさん二人がやって来ました。
ドアまわりの壁のことしか聞いていないと言う彼らに、ちょっと演技をしてバスルームのえぐれたところまで塗ってもらった計算高いラッキーな私。
私は女優。。。

Friday 21 January 2011

ヘンリー

あのドラマの新シーズンがようやくBBC2で放映されます。

タララ ラ~ラ~ラ~ラ~ラ~
タララ ラ~ラ~ラ~ラ~ラ~ラ~
タララ ラ~ラ~ラ~ラ~ラ~♪

で始まるあの歴史ドラマ、



The Tudorsです。

「史実に忠実でない、いやそれどころか好き放題に創作しまくっている」
と言われつつもシーズンも4作目を迎えるということは人気あるのでしょう、きっと。

英国産の人気のドラマや話題作は他にもたくさんあるのにそういうのがどうもピンと来なくて、でもThe TudorsやDownton Abbeyはおもしろいと感じてしまう。。。これは年のせいなのか?
いや(それもあるかもしれないけど)私はどうも、時代物が好きなようです。
それに私は子供の頃から、「座頭市」とか「子連れ狼」が好きで、杉良太郎に憧れていて彼の出るドラマは欠かさず見るような変な子でした。

The Tudorsはそりゃ確かに史実をベースに自由に創作しているかもしれないけど、じゃあ例えばヘンリー8世を本物に似た役者さん、もしくは本物に似せたメイクで撮ったら、いったい誰が見るんですか?
(ご存知ない方のために、ヘンリー8世の画像
ジョナサン・リース・マイヤーズだからこそ見ている女性ファンがほとんどのはず。
それに私にとっては彼のあの妖しい目の光に、ヘンリーの内面が宿って見えるのです。
このドラマがおもしろかったからこそ、この王に興味が沸き、テューダー朝については茶助よりも詳しくなったのだし。

自分が国家で最大の権力を持ちたいが為、または新しい奥さんをもらいたかったため(笑)、カトリック教会から訣別しちゃった男、やんちゃな(だけどほんとに頭の切れる人だったらしいです)イングランド王、ヘンリー8世。血なまぐさい、陰謀渦巻くどろどろ&セクシー(笑)ドラマ、The Tudors Season4はBBC2で明日の午後9時45分からの放映です。

タララ ラ~ラ~ラ~ラ~ラ~♪

Thursday 20 January 2011

1月20日のつぶや記

今日も3階のベッドルームでお籠りです。

また家の工事があっているのです。
ええ、またです。
日本ではほとんど経験したことがなかったのですが、イギリスに来てこの家を借りてからというもの、何度工事があったか知れません。
なーんていうと大げさかなぁ。
ここに住んで3年足らずですが、少なくとも6回はありました。
屋根の修理だったり、3階の両側の窓を付け替えだったり、バスルームの床の張り替え、フェイク暖炉の煙突の修理、ラジエーターの交換。
もっと小さい、例えばペンキ塗りとかバスタブのプラスターの交換とか、壁の修理だとか入れるとさらに多くなります。
イギリスで新築の家などめったにないと聞いていますが、確かに家を新築している光景は1度しか見たことありません。
それに引き換え、修理や工事は近所を歩くだけでもどこかで必ず何かやっています。
ほとんどの家が古い。
だからしょっちゅう修理が必要になるのでしょう。

さて、我々の借りている家。
今回はキッチンの窓とドア、バスルームの窓の交換がメインです。
さらに、セキュリティー強化のため家中の窓にボルトをつける、バスルームのドアノブをハンドルに付け替える(これでバスルームのドアを苦労せずに開けることができます!)、などもするそう。

工事をすればお金がかかるのだから、それはやってもらって有難いし、感謝すべきなのでしょうが、正直言うと私達が最初入居したときの状態がひどすぎたのだと思います。
ほとんどまったくメンテナンスをしていなかったといえます。
新しいテナントを入れる前にやっておくべきだったんじゃないのかな~。
普通はそうするものではないの?

例えば3階の大きな窓、これには大きなひびが入っていました。
バスルームの天井は腐ってカビだらけでした。
雨が降るとキッチンのドアの下から水が入ってきました。
バスルームの窓はサイズは大きいけれど、あまり開かないし換気扇もないので湿気がこもり、何度除去してもカビが生えました。(しかもこのバスルーム、もとはベッドルームだったらしくクローゼットがあり、広いのです。カビの生える範囲も広ーいということになります)

先にこの土地に来ていた夫がどうしてこんな家を借りたのか理解に苦しみましたが、彼曰く、
「この辺りの雰囲気がすごくいいし、3階からの眺めが最高だったから。」
・・・・えーっと・・・。
それで窓のヒビにも気づかなかったって?
幸せな人だね、君って人は。

まあそれはさておき、とにかく今回の工事さえ済めば当分は平和な日々が続くはず。
今日もglazierさん(ガラスまわりの工事をする人。イギリスでは仕事は細分化され、それぞれの部分でbuilder, plumber, joiner, rooferなどなど専門の人がやります)が帰ったら、大掃除が私を待っています。昨日も夕方3時間かけて掃除をしました。今日は彼の仕事の範囲が広がっているのでさらに時間がかかるだろうな。
毎日必死で掃除をするのでこれら工事の人が出入りする期間は家がピカピカになっていいかも(笑)

それにしても、毎回工事の最初に
「どれくらいかかります?」
と業者さんに聞くのですが、
「3、4時間ですむよー」
と言われたら12時間、
「3日もあれば十分さ」
と言われれば6日から8日くらいかかりました。

なので彼らの言う約2、3倍かなーと思うことにしています。

ということは今回のは、えーっと5日くらいか。

今週は毎日快晴。
よかったー、おてんとうさまに恵まれて。

Fantabulousな街

休暇中ロンドンに遊びに行きました。

まず向かった先はこの方のいらっしゃる・・・
自然歴史博物館。
”ガオーーッ”なティラノサウルス
”シャキ-ン” な・・えーとなんだっけ?
バリオニクスだっけベロキラプトルだっけ?
息子は大変詳しいので一目で名前がわかるのですが。
鯨。昔サントリーか何かのコマーシャルで空を泳ぐ鯨があったな。
好きでした、あれ。
コクーンから見た眺め。
でも私にとって一番おもしろかったのは
そこで働く研究者達のラボラトリーがガラス張りで遠巻きに眺められたことでした。
白衣だー。
なんでこんなことでわくわくするんでしょう、私。

法務省。
だって撮りたかったんだもん。

腹が減ってはロンドンは歩けぬ。
パブでランチ。

ナショナルギャラリー。
ゴッホのWheat Field with Cypresses
がお目当て。これについてはまたいずれ。

夕食はAngel駅の近くにある灯(Akari)で。
あっちこっちのサイトで評判がいいので楽しみにしていたのですが、、、
お休み。
ふ、不覚。
傷ついた心と空腹をかかえて大英博物館近くのお好み焼きやさんに移動したら
「満席です」

というわけでその日の夕食は韓国料理になりました。
感じのいい、接客も申し分ないお店でしたよ。

ホテルは・・・はずれでした。
皆安眠できなかったとだけ記しておきたいと思います。

さ、気を取り直して。
バタシー発電所。
Sir Giles Gilbert Scottが設計したアイコニックな建築。
なんだかちょっとバットマンとかブレードランナーな雰囲気。

Tate Britain。
ミレーのOpheliaを目当てに行ったのですが・・・これについてもまたいずれ。

バラマーケット。
ツリーのオーナメントはRiver Cottageのみたいに乾燥させた輪切りのフルーツや松ぼっくりなど使ってあって素敵です。
飲みたかったんだけど。。。
チーズもねー、本当においしそうだったんだけど。
こんなマーケットが近くにある人達が羨ましかったです。

時間が余ってしまったのでぶらぶらと。

歩き疲れた。
さ、帰ろ。

Tuesday 18 January 2011

1月18日のつぶや記④

昨年の義母からのクリスマスプレゼントで何を買おうかとあれこれ考えて、結局CDを買いました。
木版画のハーフデーレッスンにも惹かれたけれど、それより何か残るものをと思ったのです。
5枚ともずっと欲しいなあと思っていたものばかり。

トム・ウェイツのはとても懐かしい一枚。
1986年、ジム・ジャームッシュのダウン・バイ・ローとストレンジャー・ザン・パラダイスの2本立てを見た後(あの頃映画はいつも2本立てだった)どうしてもあの曲が聴きたくなってCD屋さんに走って手に入れたのがRain Dogsでした。

”あの曲”

あれから一度手放してしまったんだけどまた聴きたくなり・・。

なんであれを手放したのか今でもよくわからないけど、あまりに物が増えるので時々まとめて処分したのです。

今まで買ったCDを全部合わせると500枚以上になってしまうかもしれません。

私の昔の浪費の対象はある時期はコスメ・ホテル(え?ちがいますよやだなー、リゾートの方です)・飛行機・夜遊びで、ある時期は本、雑誌、CD・でした。
毎日のように浪費してました。
なんだかある意味買い物依存症だったのかもしれないです。
やだなあ。そんなだった自分が。

今では年々物欲が減ってきているので、
purgeの必要もあまりなくなってきました。
これらのCDもきっとずっと聴いていくんじゃないかな・・・と思います。

1月18日のつぶや記③

日曜日の朝に妹からの荷物が届きました。
12月始め、イギリスで大雪の大混乱があったとはいえ、1ヶ月以上もかかってようやく。
1週間遅く送った母からの荷物だって届いたのに、まだ来ないねと半ばあきらめていたので嬉しさもひとしお。
妹が送ってくれたものはとっても彼女らしいチョイス。

「海外にいるとカレンダー不足にならない?」
そうなのよ、さすがよくわかってるね~。
だから干支のうさぎをモチーフにした1年暦のついたニューイヤーカードなんだ。

京土産の梅柄のお財布もものすごく嬉しい。
私は梅の花好き、がま口好きなのです。

さて、他にもたくさん入っていましたが、このようなものもありました。
ありがとー!肥後っ子の私はふりかけといえば御飯の友、すり胡麻といえばオニザキなんだよね。しかもこれは”つきごま”だって。食べるのが楽しみ。
この本で妹の台所には革命が起きたらしい。
興味深いレシピがたくさん。
それにしても私のイクシー、今日はもう限界かな。
画像がやばい。。。
わははははは、キャラ物のスケジュール帖!

なぜ・・・なぜチップ&デ-ルなんだ、妹よ?と思ったけど中を見て納得。
月間見開き2ページフォーマットでこのサイズの手帳、英国とか豪州じゃ100円で手に入らないもんねぇ。
日本の商品はいちいち気が利いていて使い勝手がいいもんね。
そういえば今年はFilofaxのリフィルをまだ買っていなかった。
使わせていただきやしょう、チップ&デ-ルを。

それにしても、今日はもう限界、と画像に悲鳴が表れております。
ゆっくり休むがよい、愛しのIXYよ。

1月18日のつぶや記②

誰しも苦手なことがあり、私にはそれが人一倍多い。

と思う。

イースト菌を使ったパン作りがそのひとつ。
以前初めてやってみて、立ち直れないくらいひどかったのでずっと避けていたのですが、先週土曜日、ついに欲望が恐怖に打ち勝ちました。

去年、お友達が貸してくれた『かもめ食堂』を見て以来ずっと作ってみたかったもの、それはシナモンロール。
ネットで検索してレシピを手に入れ作ってみました。

おそるおそる。

レーズンも入れてみました。

なんか焼き色付きすぎ?

パン、ふんわり感がない?

でも食用可能でしたわ。

昨夜も第2号を作りました。
だいぶ問題点が改善されました。

しかしイーストとはなんと付き合い辛いやつなのだ。

いや、まだまだ。
おいしくできるまで作り続けます。

1月18日のつぶや記①

年末ずっと食事の仕度をしてくれた夫から2011年に入ってバトンタッチ。
それで久しぶりに作ったのがこのカレー。
Indian Food Made Easyからのレシピ、Classic North Indian Chicken Curry。
レシピの写真で見る限り、本当はこんなにソースの量が多いはずではないのかもしれない。
でも私が作るといつもこんなふうになってしまう。
粗挽アーモンドをたっぷり加えるのがわたし風。

Friday 14 January 2011

魚魚魚ー♪

Abel&Coleという食品や生活用品の宅配サービスを利用するのですが、宅配日は冷蔵庫や冷凍室がちょっと豊かになります。
茶助は「わー珍しいねー。」と言います。彼によると、イギリス人の家庭は常に食品が冷蔵庫や棚にたっぷり詰まっているのが普通なのだそうです。

我が家の冷蔵庫はいつもたいていガラガラです。
車をもたない我が家では、買い置きはしてもせいぜい3日分、しかも計画を立てて買うのでいったんは冷蔵庫がいっぱいになってもすぐに空っぽに近くなってしまう。

そのかわり、買ったものを腐らせたりしなびさせたりで結局捨てる、なんてことありえないぞ。
買った食品をだめにして捨てるなんて、お金をドブに捨てるのと同じことではないか。
それに世界中には毎日の食事どころか、一日に一食とることさえままならない人達がたくさんいる、いや、もしかするとそういう人の方が多いかもしれないのに、買い過ぎて捨てるとは何事か。

でも私が食べ物を粗末にするのが嫌いなのはそれだけではないのです。

* * * * *

「野菜は僕らのために甘いのではなく、ただ生きているんだよ。」
と、まるでノルウェーの哲学者アルネ・ネスの言いそうな言葉は、どこかの八百屋さんの言った言葉。
つまり、ついつい忘れがちになるけど、野菜だって命あるものなのだということですよね。

魚だって私達の胃袋に収まるために存在してるわけではなく、ましてやフィッシュアンドチップスになるためだけに存在しているのでは、ない。

私達はその命をいただいて生きているんですよね。

そんな命あるものがまるで物か何かのように、悪ければゴミか何かのように扱われていると思うと、本当に悲しくなります。

Fish Fight Campaign、ものすごい速さで署名する人口が増えてます。
キャンペーンはこの時点で大成功のように見えます。
しかし廃棄がなくならなければ本当の成功とは言えないでしょう。

Thursday 13 January 2011

ヒューのフィッシュ・ファイト

まずこのビデオクリップをごらんくださいませ。

これはイギリスの漁船で日常的に行われるdiscardingと呼ばれる行為です。
1本釣りのようにターゲットの魚に狙いを定めたものならともかく、網で一気にまとめて魚を捕獲する場合、当然目当ての魚以外にもたくさんのものが網に入ってきますよね。
それをどうするかというと、そのまま海に投棄するのです。
魚はすでに死んでいます。
それが上の映像。
その割合は全体の漁獲高の約50%。まさに半分。
けっこう衝撃的な数値です。
「なんでそんなことするの?!」と思ってしまいます。
ですがこれには漁師さん泣かせの事情があったのです。

EUの共通漁業政策という私にとってはまったくなじみのない言葉、ヒュー・ファーンリー=ウィッティングストールのHugh's Fish Fightという番組で知りました。
この政策(Common Fisheries Policy)の漁獲管理の部分が、このドキュメンタリーで問題視されたことのひとつです。

例えばイギリス人はcod(鱈)が大好き。
フィッシュ&チップスのお店では注文はcodがダントツ人気なんだそうです。
それで鱈の数は激減し、科学者達はこのままでは鱈が絶滅してしまうと警笛を鳴らしたのです。
十分な数が戻るまでは、鱈を捕ることを控えねばならぬと。
当然です。
そこまでして資源を食い尽くす私たち人間ってなんなんだろって思ってしまいます。

ところで北海で漁をする漁船に乗り込んだヒューが見たものは、後から後から網にかかる鱈。
とても大きな鱈さんもたくさんありました。
しかし漁獲管理の法律があるので、鱈を持ち帰って売ることのできる量はごく限られています。
それでどうするかというと、海に投棄するのです。
生きていればいいけど、すでに死んでいるものを、です。

小さすぎる魚もたくさん網にかかります。
網目の大きさを調整すればいいではないか、と誰だって思いますよね。
すでにそれは試されていますが、そう完璧にコントロールができないというのが実情のようです。

それからもうひとつ、多くの種類の魚が、需要がないという理由で投棄されます。
イギリス人は魚に関して本当に食わず嫌いが多い。

ジェイミー・オリバーもChannel4の魚強化月間に参加しており、
「もっといろいろな種類の魚を食べよう!」
と多くのイギリス人にとってなじみのない魚を使ってさまざまなレシピを披露していました。
そして私が注目したのはDabと呼ばれる魚。ジェイミーが
「この魚はねー、Dabっていうんだ。誰も食べないから網にかかっても海に投棄されちゃうんだよー。」
とひらひら見せていたのはどう見てもカレイ。
すぐに息子の小学館Neo魚図鑑で探したところ、マコガレイでした。
ぬぬぬぬぬ、カレイの唐揚げ、どれだけ恋しかったことか。
あるんじゃん、捕れるんじゃん、北海でも。

話がそれてしまいましたが、Hughが訴えたいのは、環境保護はもちろん重要だけれど、すでに網にかかって死んでしまった魚を漁獲管理のせいで海に投棄するということがイギリスや他のEU加盟国の漁船で起こっている以上、なにかしらの改善策が話し合われるべきだ、そして願わくば、法律の改正が行われて欲しいということだと思います。
それで、このようなウェブサイトを設けて、人々に署名を訴えているのでした。

ヒューの番組では他にもイギリス人の大好きな魚、鮭のことも取り上げられていました。
絶滅が危惧される魚のひとつです。
それからツナ缶についても、グリーンピースの人と協力して調査を行っていました。
この2点についても後日、postしたいと思います。
私の叔母などはめんどくさくて読みとばすかもしれないなー。

でもね、日本人だって無関係ではないのです、魚の過剰捕獲はね。
マグロ、捕り過ぎ。
捕鯨と同じくけっこう厳しく批判されておりますよ、こっちのメディアでは。。。

最後に一言。

イギリス人よ、
もっといろんな魚を食べるんだ。

Sunday 9 January 2011

1月だより - スイッチ

The Guardianの元日号にresolutionsを立てる(?)のは逆効果だとしてありました。
だけどそんなの知ったこっちゃない。
毎年、お正月にはその年の目標を立てるのです。
ちなみに去年の日誌を確認したら、2010年のresolution10個のうち、3つはなかなかできていたということが判明しました。
3個もできてたら上出来だわ。
何が出来なかったかより、何が出来たか、ですわ。

というわけで今年も10個くらいありますが、そのうちの一つは去年に引き続き、”毎日本を読もう”、です。
去年は『金閣寺』も読みました。
いくつかエルロイも読みました。

今、Miss Smilla's Feeling for Snowを読んでいます。
とてもとても、気に入っています。
デンマークに興味を持っていた去年、茶助がプレゼントしてくれたものです。今はスミラ効果でGreenlandに興味津々。
しかしそれもまだ読み終わってないのに今度はStokerのDoraculaをもらい、アメリカの友人はとてもいい新訳本が出たからと、Madame Bovaryの英訳を送ってくれました。
嬉しい悲鳴に聞こえますか?
実は半泣きです(泣)
自分の買ったルワンダに関するノンフィクション3冊にはいったい西暦何年になれば辿り着くのでしょう・・・・?

12月の話になりますが、休暇直前にタチの悪い風邪のウィルスに負けました。
かなりしつこいシロモノで、完全にふるい落とすのに2週間。
私がやられるくらいだから一番体の弱い(?)茶助なんてコロッとまいるだろうと思っていたら意外にも彼はまったく平気。
おかげで私は心おきなく風邪をひいていられました。
変な言い方ですが、本当にそうです。
風邪で1週間近く寝てられたなんて、なんて恵まれているのだ私は。
おまけに毎日茶助のおいしい手料理が食べられ、至福。
デザート命の彼が食事を担当する時は夕食後必ずデザートがつくので麻呂も満足。

さて、以下は茶助の作ってくれたもののいくつかです。
ヨークシャープディング、さつまいものマッシュ、それから水牛のトマト煮込み。
バッファローなんて珍しいなあと思って私が買っておいたものをシチューにしてくれました。
実は私、ヨークシャープディング食べたの初めて。その出来には、シェフ本人もとても満足しておりました。

こちらは、Moro Eastのレシピから。ひよこ豆とナッツのピラフにグリルドポーク、ザクロ、ヨーグルトソースが乗っけてあります。
今年はこれが我が家のクリスマスミールだったのです。赤とグリーンがChristmasyではありませんか?

これは栗のチョコレートケーキ。あっさりして甘すぎず、素朴なおいしさ。
クリスマスプディングより断然こちらの方が好き。

これは初体験。
Meadという、はちみつのワインです。
香りがなんだか梅酒っぽいのにびっくり。
もの珍しさに買ってみたのですが、意外にもおいしかったのです。

今日で3週間の休暇が終わります。
完全にスイッチを切って、各々好きなように過ごした私達、身も心もたっぷりと休養をとることが出来ました。
明日からまた社会復帰。
おしっ。

Sunday 2 January 2011

1月だより・・・寿春

あけましておめでとうございます。

お正月、本当にいいものですね。
私は1年のうちで大晦日とお正月が一番好きです。
ここにいるとなかなかお正月気分は出ませんが、子供にお年玉をあげるという習慣を守るだけでもなんだかお正月を大事に祝っている気分になることができるというかなんというか。

今これを見て下さっている方、そして我が家にとっても今年1年が幸せな年でありますように。